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【レポート】未来セッション vol.2 農・食とまちなかの理想の関係

2023.07.19(水)

豊橋まちなか未来会議では、まちなかのこれからを様々な方と学び、議論し、その実現を考える「未来セッション」を行います。vol.2として、地域の特色といえる農・食とまちとの関係について、関連する様々な主体の取組を知りつつ、その意義やこれから目指す先について考えました。


【話題提供】東三河の農・食とそれに関わる様々な取組紹介

主に豊橋市の”農”の状況について、またそのなかで主にemCAMPUS FOODを会場として行われている農・食関連の事業について4者から話題提供頂きました。

豊橋市 産業部 農業企画課 田中敦美さん

豊橋市では、部局横断的に「食・農のまち推進プロジェクト」を進めております。農業企画課では、地産地消を推進したり、取組むきっかけを作ることを目的とした事業を行っています。農家と飲食店のマッチング・新規商品開発事業をここemCAMPUS FOODでも行っています。

emCAMPUS FOOD(中部ガス不動産株) 久曽神 真さん

東三河の玄関口として、食・農をPRしていこうという思いの元、ホテルアークリッシュ豊橋をオープン・運営してきています。また非日常だけでなく、日常的にも食・農を楽しんでいただく機会を作ろうとemCAMPUS FOODをオープンさせました。併せて、「東三河FOOD VALLEY構想」と題して、食に関わる創造者の方々とともに、この地を食文化の聖地にしていこうという取組を進めております。農・食に関しては、先ほどの地産地消以外にも、物流、EC、広報など様々な課題がありますが、総じてブランド化がうまくできてないことが課題と考えています。

愛知県 東三河総局 企画調整部 産業労働課 鈴木 千陽さん

愛知県では東三河県庁を設置し、策定した「東三河振興ビジョン2030」に基づき、地域産業の新たな展開につながる取組みをしております。ここ数年は、東三河の特産品を使った付加価値の高い新商品開発を 支援する取組を実施しております。

㈱プライズメント 井口 直人さん

愛知県さんの事業を昨年度受託しています。事業者や参加者と直接対する立場として、そうした地産地消事業や商品開発事業のなかで、商品開発自体を目的となってしまうことをいかに避けるかが大切だと感じます。商品の開発だけでなく、マーケティング的な側面、すなわち誰にいくらでどのくらい売るのか、というゴールを見据えることをもっと意識的に取り組む必要があると感じます。

emCAMPUS FOODなど、まちなかはその立地や機能から様々な方に集まってもらいやすい場所だと思います。


【ディスカッション】農・食とまちなかのこれからの関係とは?

食物販事業者、施設運営者、行政関係者、デザイン会社、農家など約15名の方にご参加いただきました。「この地域の農・食の特徴を語る共通の言葉がない」ことをもっと掘り下げて考える必要があると思いました。

当日は豊橋技術科学大学 小野研究室の学生がレコーディングをしてくれました。

  • ◆地域の農・食の雑誌を作り続けている。名前のある農家さんやその言葉で語られる魅力を共有したり、伝えていくことが重要だと思っている。
  • ◆農産物の多くはもらう認識が強かったり、存在しない季節があったりする。もっと買ってもらうためには、青果のままでなく加工品を作ることが必要と考え商品開発をしてきた。道の駅とよはしなどでも扱ってもらっている。ただロット数の関係で価格が上がってしまっている。商品開発の先、マーケティングを考える必要があると感じた。加工場がないことも課題だろう。
  • ◆何が課題なのかがまだ見えない。他の地域だと担い手不足が最もよく聞かれるが、東三河地域は農・食が地域の特徴であるといわれているし、別の課題があるように思える。この地域の農・食の魅力をうまく語る言葉がないような感じがする。
  • ◆OEM商品を東京で売っているものの、地元では全く知られていない。もっと地元で知ってもらい、買ってもらいたい。
  • ◆都会へ輸出して買ってもらうことが重要だと思う。そのためにECサイトの利用や発信も重要。また農・食の地域ということを表出させるために、まちなかの食事施設の選択肢が増えることも大切な要素だと思う。
  • ◆ブランディングは、内部を固めて、それが外部に伝播していくものだと認識している。そのためにも、何が魅力なのかの共通認識が必要になる。
  • ◆プラスマイナスはあると思うが、多品目が採れることは間違いなく地域の特色だと思う。まちの人の実感値を上げて、外に話していってもらえるようにできたらよいと思う。

これから

加工、マーケティング、ブランディングなどについて、より深くお話する場を作っていくことを検討します。そのなかで、多品目であるこの地域の農・食の魅力について語る言葉やそれを感じる機会の創出を考えていけたらと思います。


未来セッションについて

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